成功する化粧品OEMの秘訣!ブランドコンセプトと商品企画の作り方

成功する化粧品OEMの秘訣!ブランドコンセプトと商品企画の作り方

オリジナル化粧品を作る際に、「ブランドコンセプトは本当に必要?」と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

消費者が「ああ、あの商品!」とオリジナル化粧品を認知し、ターゲットが「これは自分にピッタリだ」「私をもっと美しくしてくれる」と感じ、長く愛用するためには、ブランドコンセプトの策定が不可欠です。

ブランドコンセプトを明確にすることで、商品企画の進行や販売促進の策定時にも方向性を失わず、化粧品事業をスムーズに進めることができます。

本記事では、化粧品のブランドコンセプトの策定方法、商品企画の進め方、そして化粧品OEM開発のスムーズな進め方について、詳しくご紹介いたします。

化粧品のブランドコンセプトとは

ブランドコンセプトとは、「顧客にどのような価値を提供するブランドなのか」、ブランドの核となる価値を言語化したものです。

オリジナル化粧品をつくる場合、ブランドコンセプトを定義することは大切です。
「オリジナルブランドは他のブランドと比べて何が違うのか」
「他にはないオリジナリティは何か」

ブランドコンセプトを設定することで、オリジナル化粧品の独自性が明確になります。ブランドを確立することは、価格競争から抜け出し、化粧品事業を成長させるために不可欠です。ブランドコンセプト構築はブランド確立のスタートであり、事業戦略の基盤となります。

ターゲットの解像度を高める

ブランドコンセプトを策定する際の鍵となるのは、オリジナル化粧品を最も喜んで利用するのはどのような人か、また、どのような人を主要な顧客としてターゲットとしたいか、を明確にすることです。ターゲットを多角的に分類し、その人物像を具体的に描き出します。

具体的には、年齢、性別、家族構成、職業、所得、居住地域、趣味、生活スタイル(休日や平日の過ごし方)、価値観(価格や健康、体験、環境への意識)や情報の入手先(Instagram、YouTube、Twitter、LINE、テレビ、紙媒体など)を基にターゲットを設定します。特に化粧品の場合、体質や肌の特性(冷え性や乾燥肌など)、具体的な悩み(疲れやシミ、クマなど)、どのような対策を実践しているか(高級クリームの使用、美顔器、十分な睡眠取得など)、そしてその対策に対する満足度や願望(例えば、もっとしっかり睡眠をとりたいなど)を詳しく探ることで、ターゲット像の詳細を洗い出すことができます。
この際、ターゲットが日常で使う言葉は、リアルさを醸し出し、広告の効果を高める要素となります。そのため、ターゲットの使う言葉や検索キーワード、表現に対する配慮が必要です。

ペルソナを設定する

ターゲットが定まったら、より深掘りして具体的な人物像「ペルソナ」を設定していきましょう。
ペルソナを設計すると、担当者同士や化粧品OEMメーカーのスタッフとの共通認識ができ、オリジナル化粧品の開発・設計・広告宣伝まで、ブレや手戻りがなく、進行がスムーズになります。

ペルソナは、ターゲットで設定した項目(年齢・性別・家族構成・職業・所得・居住地域・趣味・生活スタイル・価値観・情報の入手先・体質や肌の特性・具体的な悩み・実践している対策・その満足度や願望)のほかに、より実在する人物を思い描けるよう詳細を設定します。職業は業種や役職、貯蓄状況、人間関係、性格、興味、インターネットの利用状況などを加えていきます。

ペルソナ例:                       
東 洋子(あづまようこ)さん
・ 年齢:35歳
・ 居住地:愛知県名古屋市
・ 家族構成:夫婦と7歳・8歳の子どもの2人
・ 住居:駅から徒歩15分の3LDKマンション
・ 本人年収 100万円/世帯収入 800万円
・ 金融資産 470万円
・利用アプリ:LINE・Instagram・メルカリ
・生活スタイル:夫の収入がメインで、節約や家計のやりくりなど工夫しながら生活。子ども2人の小学校入学とともに、近所のカフェでパート。パート収入の使用用途は、貯蓄や自分磨き。節約とメリハリのあるお金の使い方を心掛けている。ほうれい線やフェイスラインのゆるみなど年齢肌のサインが気になってきたので、美容雑誌や化粧品専門サイトで自分に合った化粧品を探索中。

このようにペルソナを設定することで、どのような化粧品を、どのような人を対象に、どのようにアプローチするかが明確になり、オリジナル化粧品の開発・設計・広告宣伝まで進行がスムーズになります。

ブランドコンセプトを作る

ターゲットに向けて、どのような利点やメリットを提供するのか、ブランドコンセプトをシンプルな言葉で表しましょう。自社のオリジナル化粧品の独自の強み・他のブランドとの違いを明確にします。

単なる製品の特徴や成分ではなく、市場の要求と自分たちの技術や特色をうまく組み合わせることで、強固なブランドコンセプトを築き上げることができます。
例えば、大容量フェースマスク「ルルルン(LULULUN)」のブランドコンセプトは、「ごきげんをつくる」です。2011年7月よりフェイスマスクを展開しています。当時はまだ特別な日にだけ使う高額だったフェイスマスクを誰もが使える価格で提供し、Dr.ルルルン社は日本のフェイスマスクリーディングカンパニーに成長しました。

ブランドコンセプトは、あまり難しく考えずに、ワクワク感をもって「誰に」「どんな価値」を提供するのかを考え、シンプルに表現しましょう。

商品企画の進め方

化粧品の商品企画を進める際、ブランドコンセプトを主軸に、「訴求成分」・「アイテム(剤型)」・「デザイン」・「ネーミング」・「販売価格」・「販売計画」・「販売チャネル」・「販売エリア」・「ベンチマーク品の設定」を決定していきます。

訴求成分

ブランドコンセプトとターゲットから化粧品に期待する効果やそれに対応する配合成分、配合を避けたい成分を明確に決定します。特に、広告・プロモーション活動を考慮しながら、どの成分を強調してターゲットに伝えるかを検討します。SNS媒体やTVショッピングなどの販売チャネルにおいて、他の商品と差別化するポイントとなる、ターゲットの心をつかむ製品設計が不可欠です。

アイテム(剤型)

商品は単品での提供や、ラインナップとしての展開など、さまざまな提供方法が考えられます。ラインナップとして提供する場合、同じアイテムに色や香りのバリエーションを加える方法や、化粧水・クリームといった使用順序に応じて異なるアイテムをラインナップする方法も一般的です。

ターゲットが新しい商品を試しやすいのは単品の場合でしょう。しかし、ラインナップとして提供することで、より効果が得られやすくなったり、1人あたりの購入額を増加させることが期待できます。アイテムの特長やメリット・デメリットを検討しながら、適切な方法を選定します。

デザイン

化粧品の容器やパッケージのデザイン・カラーは、商品の印象に大きく影響します。容器の形状によって、エレガントな雰囲気やユニセックスな印象といったブランドイメージが変わることもあります。ブランドコンセプトに沿ったデザインを選ぶことで、商品の価値を高め、ターゲットから選ばれる化粧品を作り上げることができます。

ネーミング

商品名は、化粧品の最初の印象を形作る重要な要素です。ターゲットにブランドコンセプトを効果的に伝えるためには、その意味や想いを商品名に込めることが大切です。独自性と共感を呼ぶネーミングは、消費者の記憶に残りやすくなります。

販売価格

ターゲットとブランドコンセプトを基に、上代(販売価格)と下代(仕入価格)を決定します。一般的に、仕入価格のおおよそ20%が上代の目安とされますが、販売チャネルや販促計画により、この目安値が変動することもあります。

仕入価格の基準を設定した後は、化粧品の成分(バルク)、容器、資材の中で何を最も重視するか、優先順位を定めましょう。この優先順位は、化粧品OEMメーカーとの協議や、容器・資材の選定、成分の選択や配合量などの商品設計を進める際の大切な指針となります。

販売計画

販売計画を策定することで、売上の見込みを立て、適切な在庫量を計算し、発注量を決定できます。
化粧品の初回注文時には、発注ロットの選択は慎重に進める必要があります。小ロットでの発注は、総コストを低く抑え、もし商品が売れなかった場合のリスクを軽減します。しかし、一般的に発注量が少ないと単価は上がるため、利益率が低下する可能性があります。
製造に要するリードタイムを考慮した販売計画を立てることで、販売の機会を逃さず、資金の流れを安定に保つことができます。

販売チャネル

販売チャネルとは、消費者が化粧品を購入する際の方法や場所を指します。これには、ECサイト、自社店舗、TVショッピングなどが含まれます。販売チャネルの選択は、化粧品の販売価格や利益率、さらには商品のパッケージに影響を与えます。
ターゲットに適した販売チャネルを選ぶ際には、プロモーションや購入方法、支払い方法、商品の配送と受け取り、そして顧客情報の管理などの要素も考慮する必要があります。
購入時の顧客の満足度を重視し、化粧品ブランドの強化や顧客のロイヤリティ向上を目指して、適切な販売チャネルを選びましょう。

販売エリア

化粧品を販売する国や地域により、法制度や規制が異なることがあります。各国・地域の法規制や販売に関する取り決めを確認し、適切な手続きや商品設計を行うことが重要です。
外国への輸出を検討している際には、化粧品OEMメーカーに輸出先の候補地を事前に伝え、商品設計の要件を確認することをおすすめします。

ベンチマーク品を設定

市場に存在する競合品や既存の化粧品を調査し、処方やデザインなどを参考にベンチマーク品を設定することは、オリジナル化粧品の商品企画の策定に効果的です。
ベンチマーク品を明確にすることで、自社スタッフ間や化粧品OEMメーカーとの議論で、オリジナル化粧品がどのような位置付けとなり、どのように差別化を図るべきかがはっきりとします。

化粧品OEM開発のスムーズな進め方

オリジナル化粧品を開発する際、スムーズな進行のためには、化粧品OEMメーカーとの初期段階からの密接なコミュニケーションが鍵です。
ブランドコンセプト、ターゲット、化粧品に期待する効果、販売予定国、そして発売時期など、事前に定まっている情報は明確に伝えましょう。

さらに、化粧品の種類(剤型)、配合成分、避けたい成分、仕入価格、容器のデザインやイメージなどの商品企画に関する情報も、早期に共有し、アイデアを出し合って決定することが効率的な進行につながります。

ときにはすべてをオリジナルにこだわるのではなく、各項目の優先順位を設定することも大切です。発売時期、生産ロット、テクスチャー、デザインなどの優先順位を明確にし、その要望を伝えることで、化粧品OEMメーカーからのフィードバックも的確に受け取ることができ、化粧品開発をスムーズに進めることが可能となります。

おわりに

化粧品OEMの成功のために、ブランドコンセプトと商品企画の作成方法について解説してきました。
重要なのは、ブランドコンセプトを設定し、ターゲットへオリジナル化粧品の特徴を明確に伝えること。これにより、他社の商品と差別化を図り、化粧品が長く市場で愛され続けることができます。
また、明確なブランドコンセプトを持つことは、商品企画やプロモーション施策の策定において方向性を保ち、化粧品事業を効率的に進めるための基盤となります。

化粧品OEMメーカーは、化粧品に関する幅広い専門知識を持ったスペシャリストからなる集団であり、化粧品開発に関する多くのノウハウを有しています。ブランドコンセプトと商品企画を中心に、化粧品OEMメーカーとの円滑なコミュニケーションを図り、化粧品開発をスムーズに進めましょう。


化粧品OEMをお考えの方は、お気軽に東洋発酵へお問い合わせください。

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