UNIFINE®︎

ユニファイン

UNIFINE®

大豆エキス発酵物加工食品
訴求ポイント
抗糖化、美肌、認知機能改善、脱毛予防、毛質改善、育毛改善、抗炎症、骨質改善、糖対策、脂肪対策、抗酸化

UNIFINE®は、大豆エキスを麹菌で発酵させた「8-ヒドロキシイソフラボン類」を有効成分とするオリジナル原料です。

特徴

発酵を科学して、発酵のチカラでアンチエイジングとフレイル対策、メタボ対策に

抗糖化作用でアンチエイジング、フレイル対策

  • イソフラボンを含む大豆エキスを麹菌で発酵した発酵素材です。
  • 8-ヒドロキシイソフラボン類を有効成分とした抗糖化素材です。椙山女学園大学との共同研究(特許第5318339号)
  • 糖化反応産物(AGEs)の生成抑制作用と分解作用が確認されました。
  • ヒト経口摂取により以下の効果が確認されました。
    1. 体内抗糖化作用および抗酸化作用
    2. 美肌効果、黄ぐすみ防止効果
    3. 糖化による骨質劣化を防止する効果
    4. 脳機能改善効果(神経栄養因子上昇効果・認知機能改善効果)(特許化)
    5. 抗炎症効果(炎症性サイトカイン低減)
  • 糖化ダメージによる脱毛を抑え、毛質改善および育毛改善効果が確認されました。立命館大学との共同研究(特許第6956957号)

メタボリックシンドローム対策

  • 抗糖尿病(耐糖能改善)および抗肥満(脂肪蓄積抑制)作用が確認されました。立命館大学との共同研究(特許出願中)

8-ヒドロキシイソフラボン類で若々しく健康的に…

  • 麹菌発酵することで機能性が向上し、肌・脳・骨・頭皮などのアンチエイジング、フレイル対策、糖対策およびメタボ対策を目指す製品企画に最適です。
  • 化粧品用原料「UNIFINE-CO」もご用意しております。内外美容を目的とした化粧品との併用による美肌効果の増強が期待されます。

糖化とは…体内糖化ストレスを抑えることが大切です

老化や病気の原因は、カラダの糖化です

血液や体内中に増えたブドウ糖を中心とした糖は、エネルギーとして代謝されないとタンパク質と結合しやすくなります。これを糖化といい、老化や病気の原因となる反応の1つです。メタボリックシンドロームの指標のひとつに血糖値がありますが、血液検査にあるHbA1cは、血液中のヘモグロビンとブドウ糖が結合したもので、血糖値のように直前の食事の影響を受けず、直近の1〜2ヶ月の平均血糖値を推測できる指標として使われています。タンパク質が糖化すると、そのタンパク質の本来の機能(シグナル伝達や酵素活性等)が抑えられ、代謝等に影響がでます。これが、老化や病気の原因となるのです。

糖化によって起こる病気や症状

肌への影響

コラーゲンの3重らせん構造は互いに生理的架橋「善玉架橋」により結合し、コラーゲン線維の適度な弾性維持に寄与します。しかし、糖化反応によって形成されたAGEsにより、非生理的架橋「悪玉架橋」が形成されるとコラーゲン線維を脆弱化します。その結果、肌は弾力性が低下し硬くなります。下図は、悪玉架橋形成の模式図および糖化ストレスの高い糖尿病患者と健常者の皮膚弾力性についての文献報告例です。
皮膚コラーゲン中のAGEs蓄積量が加齢と共に増加すると、糖尿病患者での蓄積量が同年齢の健常者よりも多いことや糖尿病患者の皮膚弾力が健常者と比べて低下していることが確認されています。

試験データ

【参考】試験データ濃度換算
試験データに記載の「発酵イソフラボン」は「UNIFINE」として以下の換算となる。

  • 換算例)
  • 発酵イソフラボン:1μg = UNIFINE:約4μg
  • 発酵イソフラボン:1mg = UNIFINE:約4mg
  • 発酵イソフラボン:1% = UNIFINE:約4%

1.蛍光性AGEs生成抑制作用(発酵による機能の向上)

発酵イソフラボンと未発酵イソフラボンについて、グルコースとHSA(ヒト血清アルブミン)の糖化反応系により蛍光AGEs生成抑制作用の評価を行なった。
その結果、発酵イソフラボンは、未発酵イソフラボンに比べて非常に高い蛍光AGEs生成抑制作用が確認された。また、発酵イソフラボンは、タンパク質としてコラーゲン、エラスチン、ケラチンを用いた反応系においても蛍光AGEs生成抑制作用が確認され、その作用は糖化反応阻害剤であるアミノグアニジンよりも強いことが確認された。

2.有効成分:8-ヒドロキシイソフラボン類

麹菌発酵により大豆に含まれるイソフラボンは、水酸化されジヒドロキシイソフラボン(8-ヒドロキシイソフラボン類)に変換されることや、この8-ヒドロキシイソフラボン類が豆味噌に含まれていることが報告されている。

発酵イソフラボンに確認された抗糖化作用を示す有効成分として、8-ヒドロキシイソフラボン類が大きく寄与していることを次のように確認した。
主な大豆イソフラボンのひとつであるダイゼイン(アグリコン)とその配糖体ダイジンおよび水酸化誘導体(8OH-ダイゼイン)について、グルコースとHSA(ヒト血清アルブミン)の糖化反応系によりAGEs生成抑制作用を評価した。
IC50(50%阻害濃度)で比較すると、ダイジンとダイゼインで約10分の1、ダイゼインと8OH-ダイゼインで約5分の1の濃度となった。また、CML生成について、イソフラボン類の阻害活性についても検討した。配糖体であるダイジン、ゲニスチンよりもアグリコンであるダイゼイン、ゲニステインが、さらに8OH-ダイゼインや8OH-ゲニステイン等の水酸化誘導体のほうがCML生成の阻害が非常に高くなっていることが確認できた。
これらの結果から、8-ヒドロキシイソフラボン類は、アグリコンや配糖体と比較して強い抗糖化活性があることが確認できた。

3.AGEs生成抑制作用(CML、ペントシジン、3DG生成抑制)

カルボキシメチルリジン(CML)生成抑制 CMLは皮膚蓄積性AGEsの代表で、生体中で形成されるAGEsの中で最も多く存在することが報告されている。CML化したコラーゲンは線維芽細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導する。発酵イソフラボンは、CML生成を強く阻害することが確認されており、さらにその効果は未発酵イソフラボンやアミノグアニジンよりも高いことが確認された。

ペントシジン生成抑制 ペントシジンは、タンパク質の架橋形成に関与する物質であることが知られている。皮膚コラーゲンでは加齢に伴うペントシジン蓄積の進行が確認されており、その組織中のペントシジン量と老化との関連が示唆されている。発酵イソフラボンは、カテキン(EGCg)よりも強いペントシジン生成抑制作用のあることが確認された。

3-デオキシグルコソン(3DG)生成抑制 3DGは、糖化反応中間体(中間生成物)とよばれている糖化反応経路におけるAGEsの前駆物質の1つである。反応性が高いため、様々な物質と速やかに反応する特性を持っており、組織や器官の糖化反応を急速に進行させるため、その生成や蓄積を防ぐことがアンチエイジングに繋がると考えられている。発酵イソフラボンは、糖化反応阻害剤であるアミノグアニジンよりも強い3DG生成抑制作用のあることが確認された。

4.AGEs架橋切断作用

AGEs生成過程の中間体としてジカルボニル化合物がある。ジカルボニル化合物はグルコースに比べ非常に高い反応性を持っており、AGEs形成に大きく寄与しているため重要な成分である。糖尿病患者の血漿中では、これらのジカルボニル化合物が増加しており、合併症発症に大きく関与していると考えられている。またAGEs生成により形成されるタンパク質間の架橋構造の1つがジカルボニル構造であることが明らかとなっている。そのため、ジカルボニル化合物の炭素−炭素間の結合を解裂し、AGEsの蓄積及びタンパク質間の架橋形成を阻害する物質を開発することは、糖尿病や合併症の予防や治療に有用であるだけでなく、老化の防止においても重要と考えられる。発酵イソフラボンは、ジカルボニル化合物の切断作用を示し、AGEsの生成抑制だけでなく、生成したAGEsを分解する作用も併せ持つことが確認された。

5.コラーゲンの糖化抑制によるタルミ防止・ハリ改善効果

<試験方法> Ⅰ型コラーゲン線維中で線維芽細胞を培養すると、弾力のある真皮類似構造のコラーゲンゲルを構築し収縮する。しかしコラーゲンが糖化するとこの収縮活性は抑制され、広がったままとなる。本試験では、コラーゲンの糖化反応を促進する物質であるグリオキサール(GO)の共存化でコラーゲンゲル収縮活性を指標として糖化抑制によるタルミ防止・ハリ改善効果を確認した。


<結果> GOのみの添加では、コラーゲンの糖化によりコラーゲンゲル収縮活性が低下した。一方、発酵イソフラボンを添加することにより、収縮低下が抑えられ、コラーゲンゲルは収縮した。これらのことから、発酵イソフラボンは、コラーゲンの収縮力を保ち、肌のたるみ防止・ハリ改善効果があることが示された。

6.ヒト角層におけるAGEs生成阻害作用

テープストリッピング法により採取したヒト角層とグリオキサールを反応させて生成されるAGEsを免疫染⾊し、糖化度を評価した。
その結果、発酵イソフラボンは、グリオキサールにより誘導されるAGEs生成を抑制することが確認された。

テープストリッピング法により採取したヒト角層とグリオキサールを反応させて生成されるAGEsを免疫染⾊し、糖化度を評価した。
その結果、発酵イソフラボンは、グリオキサールにより誘導されるAGEs生成を抑制することが確認された。一方で、「第27回IFSCC Congress」2009(国際化粧品技術者会連盟)において、表皮AGEsについて以下のような内容が報告されている。
(1)表皮中のケラチンがAGE化される。
(2)AGEsが多いと、角層が厚く、水分量が少ない傾向にある。
(3)表皮細胞で形成されたAGEsは、角化とともに角層まで持ち込まれる。
(4)皮膚の透明感を低下させる。
この報告と今回の結果から、発酵イソフラボンは、角層中ケラチンの糖化を抑制し、肌の水分を保ち、皮膚の透明感とやわらかさを保つ効果が期待できる。

7.ヒト角層におけるAGEs分解作用

テープストリッピング法により採取したヒト角層を免疫染⾊し、発酵イソフラボンのAGEsの分解作用について検討した。
その結果、図に示された濃度で処理することにより、濃度依存的に染⾊強度が減少し、角質細胞中のAGEsが除去されることが確認できた。

8.カルボニルタンパク質生成阻害作用

テープストリッピング法により採取した角層にUVを照射するとカルボニルタンパク質の生成が促進される。本試験では、発酵イソフラボン存在下においてUV照射により生成するカルボニルタンパク質を5-FTSCと反応させて蛍光染⾊した後、蛍光画像解析によりカルボニルタンパク質の生成抑制作用を評価した。
その結果、UV照射(10J/cm2)により、角層中のカルボニルタンパク質は増加することが確認されたが、発酵イソフラボンを添加することにより、カルボニルタンパク質の生成が抑えられることが確認された。皮膚タンパク質のカルボニル化は「⻩ぐすみ」の原因とされている。発酵イソフラボンはカルボニルタンパク質の生成を抑制することにより、「⻩ぐすみ」を抑え、肌の透明感を保つ効果のあることが示された。

9.抗酸化作用(DPPHラジカルおよびOHラジカル消去能)

DPPH消去能 発酵イソフラボンは未発酵イソフラボンよりも有意に高い抗酸化能が確認された。また、抗酸化作用を示す有効成分として、8-ヒドロキシイソフラボン類が大きく寄与していることを確認した。

OHラジカル消去能 フェントン反応により発生するOHラジカルの消去能を化学発光法により測定した。DPPHラジカル消去能と同様に発酵イソフラボンは未発酵イソフラボンよりも高い抗酸化能が確認された。

10.その他美容効果(チロシナーゼ阻害作用・コラゲナーゼ阻害作用)

発酵イソフラボンと未発酵イソフラボンについて、チロシナーゼ阻害作用およびコラゲナーゼ阻害作用を評価した。
発酵イソフラボンは、未発酵イソフラボンに比べて高いチロシナーゼ阻害作用およびコラゲナーゼ阻害作用が確認された。
このことから、発酵イソフラボンは、未発酵イソフラボンに比べて、より高い美白効果およびコラーゲン分解抑制による抗シワ効果が期待できる。

11.ヒト経口摂取による体内抗糖化および抗酸化作用

<試験方法> 健康な成人男女9名(20〜50代、女性6名、男性3名)を被験者として実施した。試験食として、UNIFINEを100mg(8-ヒドロキシイソフラボン類として6.1mg)/日摂取となるようUNIFINE充填ハードカプセルを調製した。摂取期間は16週間とし、試験デザインは試験食摂取の前後比較試験とした。摂取前、摂取4、8、12、16週間後における体内の糖化ストレスおよび酸化ストレスについて評価した。糖化ストレスのバイオマーカーとして血漿中AGEs(CML、ペントシジン)、皮膚中AGEs蓄積量および角層中CMLを測定した。また酸化ストレスのバイオマーカーとしては、血漿中8-OHdGとカルボニルタンパク質を測定した。

1.糖化ストレス抑制効果 (血漿中AGEsの変化) 血漿中CMLおよびペントシジンの変化を調べた結果、UNIFINEの摂取により、血漿中のCML、ペントシジンとも、摂取8週目以降に有意に低下することが確認された。

(皮膚AGEsの変化) 皮膚AGEs蓄積量はAGE Readerを用いて上腕内側部位を測定した。角質CMLは、テープストリッピング法により採取したヒト角層よりCMLを抽出後、ELISA法で測定した。UNIFINEの摂取により、皮膚AGEs蓄積量は摂取8週目以降において、角層CMLは、摂取12週目以降において、それぞれ有意に低下することが確認された。UNIFINEの連続摂取により、体内のAGEsマーカーが有意に減少することが確認されたことから、糖化ストレスを抑えることによる生体機能改善の効果が期待される。

2.酸化ストレス抑制効果 (血液中8-OHdGの変化) 血液中8-OHdGの変化を調べた結果、UNIFINEの摂取により血液中の8-OHdGは減少し、摂取12週目以降に有意に低下することが確認された。

(血液中カルボニルタンパク質の変化) 血液中カルボニルタンパク質の変化を調べた結果、UNIFINEの摂取により血液中のカルボニルタンパク質は減少し、摂取12週目以降に有意に低下することが確認された。UNIFINEの連続摂取により、体内の酸化ストレスマーカーが有意に減少することが確認されたことから、糖化ストレスだけでなく酸化ストレスも抑えることでさらなる生体機能改善の効果が期待される。

12.ヒト経口摂取による骨質改善効果

AGEsの一種であるペントシジンは、加齢とともに骨コラーゲンに形成され、原発性骨粗鬆症や糖尿病における骨脆弱化に関与している。骨コラーゲン中にペントシジンの過形成が生じると、骨が過剰に老化した状態になり、骨密度の低下が無くても骨折リスクが高まる。

一方、骨コラーゲン中のペントシジン量と血中・尿中のペントシジン量との間に相関関係のあることが示されていることから、骨質の状態を診る骨マトリックスマーカーとして「骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイド2018年版(日本骨粗鬆症学会編集)」に掲載されている(右表下表参照)。上述の試験11の結果から、UNIFINEの連続摂取により血漿中ペントシジンが有意に減少したことから、UNIFINEの抗糖化作用による骨質の改善および劣化防止の効果が期待される。

骨マトリックス(基質)マーカーの基準値

項目 基準値(µg/mL)
ペントシジン(血漿) 0.00915~0.0431

「骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイド 2018年版」
日本骨粗鬆症学会編集より抜粋

13.ヒト経口摂取による美肌効果

<試験方法> 前述の試験11のヒト経口摂取試験において、美肌効果を評価した。

  • 被験者:健康な成人男女9名(女性6名、男性3名)
  • UNIFINE 100mg/日摂取
    (8-ヒドロキシイソフラボン類として6.1mg)
  • 摂取期間:16週間
  • 試験デザイン:試験食摂取の前後比較試験

1.VISIAによる皮膚状態の変化の解析 皮膚画像解析装置VISIAを用いて測定を行なった。UNIFINEの16週間摂取の前後において、シミ、シワ、きめについて改善の傾向が確認できた。

2.アンケートによる実感評価 被験者の摂取による実感を見るため、同時にアンケート調査を行なった。グラフの項目について摂取16週間後においての変化を「良くなった」「やや良くなった」「どちらでもない」「やや悪くなった」「悪くなった」の5段階評価により評価してもらった。
総合的には「良くなった」「やや良くなった」との評価が3分の2となった。個別の項目では、肌のハリ、かさつき、たるみ、くすみ、キメ、ツヤ、化粧ノリについてよい評価を得た。またどの項目でも「やや悪くなった」「悪くなった」との評価はなかった。これらの結果から、UNIFINEの摂取では、肌の実感が得られやすいことが分かった。

3.角層中カルボニルタンパク質の変化 角質中カルボニルタンパク質は、前腕内側部よりテープストリッピング法により採取した角層を5-FTSCと反応させて蛍光染⾊した後、蛍光画像解析によりカルボニルタンパク質を測定した。皮膚タンパク質のカルボニル化は「⻩ぐすみ」の原因とされている。
UNIFINEの摂取により、角層中のカルボニルタンパク質は摂取4週目以降、有意に低下することが確認された。
このことから、UNIFINEは食べる美容素材としてカルボニルタンパク質の生成を抑制することにより、「⻩ぐすみ」を抑え、肌の透明感を保つ効果のあることが示された。

14.ヒト経口摂取による脳機能改善効果(神経栄養因子上昇効果)

神経栄養因子は、神経細胞が活動するための栄養で、脳の活動を支えている。中でもbrain derived neurotrophic factor(BDNF)、nerve growth factor(NGF)、neurotrophin-3(NT-3)は脳内に広く分布し、高齢期になるとこれら神経栄養因子の分泌量が低下すると共に脳機能も低下する。
そこでUNIFINE摂取によるこれら神経栄養因子への影響について調べることにより、脳機能改善効果の可能性を評価した。

  • <試験方法>
  • 被験者:健康な成人男女9名(女性6名、男性3名)
  • UNIFINE 100mg/日摂取
    (8-ヒドロキシイソフラボン類として6.1mg)
  • 摂取期間:16週間
  • 試験デザイン:試験食摂取の前後比較試験

摂取前、摂取後4、8、12、16週間後において採血し、血漿を分取後、各神経栄養因子の濃度を測定した。
UNIFINEの連続摂取により血漿中BDNF、NGFおよびNT-3はいずれも経時的に上昇する傾向が確認された。摂取前に対する摂取16週間後の各神経栄養因子の上昇率は、BDNF:27%、NGF:42%、NT-3:25%であり、脳機能を改善する効果が期待される。

15.脳機能改善効果:アミロイドβ凝集阻害作用(in vitro

アミロイドβ(Aβ)は、アルツハイマー患者の脳に見られる老人斑の主成分として発見されており、Aβの凝集・沈着により形成される。そしてこのAβの凝集・沈着が脳細胞死や神経細胞死を引き起こし認知症を発症すると考えられている(アミロイド仮説)。
つまり、Aβの凝集を阻害する食品成分が発見されれば、アルツハイマー病の予防を目的とした食品素材として期待できる。
前述のようにUNIFINEの摂取による脳機能改善の効果が認められたことから、その効果のメカニズムのひとつとしてAβ凝集阻害作用の可能性について評価した。
Aβ凝集阻害作用の評価は、チオフラビンT(ThT)⾊素を用いたThT蛍光アッセイ法に従って実施した。なお反応時間は90分とした。

未発酵イソフラボンではAβ凝集阻害作用は確認されなかったが、発酵イソフラボンでは約50%のAβ凝集阻害作用が確認された。また、発酵イソフラボン中に存在することが確認されている各種イソフラボン成分についても評価したところ、アグリコン体では、Aβ凝集阻害作用はほぼ確認されなかったが、8-ヒドロキシイソフラボン類では明らかなAβ凝集阻害作用が確認された。
このことから、発酵によって生産される8-ヒドロキシイソフラボン類がAβ凝集阻害作用の有効成分の1つであると考えられる。

16.脳機能改善効果:脳内移行性(血液脳関門モデルによる透過性評価)

血液脳関門(blood-brain barrier)は、血液と脳との物質交換を制御する器官である。血液からの脳への不要な物質の侵入を防ぐことで脳組織を守る役割を担う。また、不要な物質だけでなく薬物やホルモン、栄養素等の様々な物質の脳内移行を制御する。血液脳関門を通過できる物質には、脳の活動源となるブドウ糖やアミノ酸などの低分子成分の他、ケルセチンや没食子酸、カテキン類といったポリフェノール類等が挙げられる。
我々はアルツハイマー病発症の原因物質として考えられているアミロイドβに対して、8-ヒドロキシイソフラボン類がその凝集を阻害する作用を確認している。したがって、8-ヒドロキシイソフラボン類の血液脳関門に対する透過性を確認できれば、アルツハイマー病の予防に繋がると考えた。そこで、in vitroの血液脳関門モデル(BBBキット™ RBT-24, ファーマコセル(株))を用いて、8-ヒドロキシイソフラボン類の脳内移行性について評価した。

<試験方法> 試験実施前に以下の3点を評価し、実験が妥当であることを確認した。

  • BBBキットの各インサートにおける経内皮電気抵抗が規定値以上であること。
  • 調製した8OH-ダイゼイン、8OH-グリシテイン、8OH-ゲニステインの各試料濃度においては、血液脳関門構成細胞に対する傷害性を示さないこと。
  • 8-ヒドロキシイソフラボン類のプレート/インサート膜等への吸着がないこと。

各試料をインサート内側(血管腔側)に添加し、37℃、30minで振とうさせた後、プレートウェル側(脳実質側)のバッファーを回収した。その後、脳実質側の各成分濃度を液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)で測定し、以下の式で計算される透過係数および脳内移行性を求めた。なお、脳への移行性が高いことが知られているカフェインをポジティブコントロールとした。

■ 透過係数(cm/s)
  透過係数=(VA×⊿[C]A/A×[C]L×⊿t)

VA
:脳実質側のバッファー量
⊿[C]A
:検定終了後の脳実質側試料濃度
A
:膜表面積
[C]L
:血管腔側に添加した試料濃度
⊿t
:検定時間(30min)

■ 脳内移行性(%)
  脳内移行性(30min)=(⊿[C]A×VA/[C]L×VL)×100

VL
:血管腔側のバッファー量

<試験結果> 右表下表の判定基準より、8OH-ゲニステインは脳内に移行することが示された。また、8OH-ダイゼインと8OH-グリシテインにおいては、ごくわずかに脳内に移行することが確認された。
以上の結果から、8-ヒドロキシイソフラボン類は血液脳関門を通過し脳内に移行することで脳機能の改善効果を発揮することが明らかとなった。

<判定基準>

透過係数
(×10-6cm/s)
透過性 脳内移行性
>20 とても良い 受動拡散等で容易に
脳内に移行する
10〜20 良い 脳内に移行する
2〜10 低い ごくわずかに
脳内に移行する
<2 非常に低い 脳内にほとんど
移行しない

<8-ヒドロキシイソフラボン類のBBB透過性>

成分 透過係数
(×10-6cm/s)
脳内移行性
(30min)(%)
8OH-ダイゼイン 7.3±1.9 2.2±0.6
8OH-グリシテイン 5.3±3.1 1.6±0.9
8OH-ゲニステイン 14.8±4.8 4.4±1.4
カフェイン 66.5±2.7 19.8±0.8

(平均値±標準偏差)

17.ヒト経口摂取による脳機能改善効果(高次脳機能改善効果:アーバンス神経心理テストによる評価)

UNIFINEの摂取により神経栄養因子上昇効果が確認され、脳機能を改善する効果が期待されたことから、健常者を対象としたアーバンス神経心理テストによる認知機能改善効果を評価した。
アーバンス心理テストはヒトの高次脳機能を5つの認知領域、すなわち即時記憶、視空間、言語、注意、短期記憶にて評価する方法である。そして これら認知領域は加齢に伴って低下するとされている。検査の難易度が健康な成人から中程度の認知症患者向きに設定され、学習効果を回避でき、治療経過の評価のために繰り返し使用できる検査方法である。
5つの認知領域は12種類の下位検査によって評価され、約30分程度で全検査が実施される。検査の内容は下表の通りである。

  • <試験方法>
  • 被験者:60歳以上75歳以下の健康な男女11名(女性5名、男性6名)、自己申告により物忘れを自覚する者
  • UNIFINE 100mg/日摂取(8-ヒドロキシイソフラボン類として5.8mg)
  • 摂取期間:8週間
  • 試験デザイン:試験食摂取の前後比較試験

総合評価点は、5つの認知領域の粗点をもとに年齢別標準化サンプルにおける平均値と標準偏差から算出して摂取前後の比較をした。
UNIFINEの連続摂取により、総合評価点で摂取前と比べて有意に高値を示した。また、5つの認知領域のうちでは、短期記憶の領域において有意な改善効果が確認された。なお短期記憶とは、約20分前の記憶を思い出す能力のことである。

18.ヒト経口摂取による脳機能改善効果(ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験)

CognitraxテストによるUNIFINEの認知機能改善効果を評価するためにプラセボを対照とした無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。
Cognitraxテストでは、記憶力、注意力、処理速度、実行機能など広範囲の脳機能領域を測定し、結果を数値化、年齢標準値との比較による標準化スコアで表示される。

  • <試験方法>
  • スクリーニング検査を実施した131名の内、適格と判断された60名の被験者に対して本試験を実施、割付因子は年齢・性別・Cognitraxテスト(総合記憶力)とした。試験参加被験者60名(UNIFINE含有食品群:30名、プラセボ群:30名)のうち棄却基準、解析対象除外基準に該当した被験者は2名であったため、主解析を試験実施計画書適合集団(PPS)とし、解析症例数は58名(UNIFINE含有食品群:28名、プラセボ群:30名)とした。
    Cognitraxテストによる認知領域15項目を主要評価項目、自覚症状アンケートを副次的評価項目として有効性評価を実施した。
    試験概要、試験食品およびCognitraxテストの評価項目について下表に示す。

<結果> 主解析(PPS)の結果、UNIFINE含有食品群では「神経認知インデックス(NCI)」、「総合記憶力」、「言語記憶力」、「認知柔軟性」、「実行機能」の 認知領域において摂取前と比べて摂取12週後のスコアが上昇し、群内比較による有意差が確認された。
また、PPS解析の他に部分集団解析による評価も実施した。部分集団解析は、軽度及び初期の認知症と関連性の高い認知領域の記憶力及び注意力に着目し、総合記憶力、言語記憶力、視覚記憶力、総合注意力の標準化スコア110以上(=平均以上の高い機能)を除く被験者集団(UNIFINE含有食品群:8名、プラセボ群:9名)を対象にした。
部分集団解析の結果、摂取12週後の認知領域「神経認知インデックス(NCI)」、「総合記憶力」、「総合注意力」、「持続的注意力」においてUNIFINE含有食品群のスコアが高く、群間比較による有意差及び有意差傾向が認められた。
これらPPS解析及び部分集団解析によるCognitraxテストの結果から、UNIFINEを連続摂取することで記憶力と注意力の改善が示されたと考えられる。
自覚症状アンケートでは、問2、問3、問5、問8の摂取6週後及び12週後の群間比較にて有意差及び有意差傾向が認められた。これらは記憶力に関わる質問であり、UNIFINEを摂取し続けることにより記憶の定着が改善されていく傾向を示したと考えられる。
以上のことから、UNIFINEを連続で経口摂取することで、認知機能に対する有用性と改善が認められた。また、それに伴う自覚症状においても被験者から改善を示す回答を得られた。

19.糖化脱毛に対する抑制効果(抜毛モデルマウスによる脱毛評価)

<試験方法> C57BL/6マウスの背中にセメダインバスコークNを適量塗布し、24時間乾燥後にはがして背中の毛を強制抜毛することにより抜毛モデルマウスを作成した。その抜毛部位にウシ血清アルブミン(BSA:対照)またはAGEsとしてCML化されたBSA(CML-BSA)を皮内注射し、その直後に発酵イソフラボンまたは未発酵イソフラボンを外用塗布した。その2日後に皮膚組織を観察、12日後に脱毛評価試験を実施した。皮膚組織の観察は、背部皮膚を摘出し、ヘマトキシリン-エオジン(HE)染⾊することにより実施した。脱毛試験は脱毛テープEpilatを用いて実施した。

1.皮膚組織観察 HE染⾊による皮膚組織画像を右に示す。また、参考として毛包形成過程の模式図を示す。BSA注射(A)とCML-BSA注射(B)の比較をした結果、BSAでは毛包形成過程の初期における毛包形成細胞の凝集が確認されたが(A矢印)、CML-BSAでは毛包形成細胞の凝集が阻害された。また、CML-BSAによって初期毛包形成にダメージを与えた状態で未発酵イソフラボン塗布(C)または発酵イソフラボン塗布(D)の効果を比較をした結果、未発酵イソフラボン塗布ではCML-BSAによる初期毛包形成阻害ダメージに対する改善効果は確認されなかったが、発酵イソフラボン塗布では組織学的に初期毛包形成が改善されることがわかった(D矢印)。

2.脱毛および毛質への影響 CML-BSA注射によって初期毛包形成にダメージを与えた状態で未発酵イソフラボン塗布または発酵イソフラボン塗布の脱毛および毛質に対する影響を比較した。
その結果、未発酵イソフラボン塗布ではCML-BSAによる脱毛亢進を抑制する効果は確認されなかったが、発酵イソフラボン塗布では脱毛亢進を抑制し脱毛本数が有意に減少した。また、脱毛テープで抜けた毛を電子顕微鏡観察したところ、未発酵イソフラボン塗布ではCML-BSAによるキューティクルのダメージを改善する効果は確認されなかったが、発酵イソフラボン塗布では毛幹部が滑らかで明確なキューティクル改善効果が観察された。
以上の試験結果から、発酵イソフラボンは、糖化によって引起される毛包形成ダメージおよびそのダメージによる脱毛亢進を抑制することが確認され、加齢に伴う糖化脱毛の予防に期待できる。

20. 経口摂取における脱毛抑制効果および毛質改善効果(糖尿病モデルマウスによる評価)

2型糖尿病モデルであるKK-Ayマウス(茶毛)を用いてUNIFINEの経口摂取による脱毛抑制効果について評価した。
8週齢雄KK-Ayマウス(日本クレア)を1週間の馴化後、普通食(CRF-1:オリエンタル酵⺟㈱)を摂取させた対照群とCRF-1に2%のUNIFINEを混餌した飼料を摂取させた試験群について脱毛テープEpilatを用いた脱毛試験を実施した。摂取期間は8週間とした。
2型糖尿病モデルのKK-Ayマウスは体毛が茶⾊である。図Aに示すようにUNIFINEの連続経口摂取の結果、脱毛防止効果が認められ、また、脱毛テープで抜けた毛を電子顕微鏡観察したところ、毛質改善効果も確認できた(図B)。
このことからUNIFINEの経口摂取により生体内、特に皮膚における糖化ダメージを抑え、美肌のみならず頭皮における脱毛リスクを軽減することが期待される。

21.経口摂取における育毛改善効果(糖尿病モデルマウスによる評価)

ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病モデルマウスを用いた育毛試験を実施した。
C57BL/6マウス10週齢雄を1週間の馴化後、普通食(CRF-1:オリエンタル酵⺟(株)を摂取させた対照群とCRF-1に2%のUNIFINEを混餌した飼料を摂取させた試験群に分け、摂取開始の1週間後にSTZ100mg/kg体重を腹腔内投与した。また、普通食摂取でSTZ無投与群も同時に設けて実施した。STZ投与の9週間後に試験19と同様の抜毛処理を行い、その後の育毛速度を観察した。
普通食摂取の対照群ではSTZ投与による育毛速度の低下が確認されたが、UNIFINE摂取の試験群では、STZ投与による育毛速度の低下は認められずSTZ無投与の正常な対照群とほぼ同等であった。
このことから、生体内、特に皮膚における糖化ダメージを抑え脱毛リスクを軽減するだけではなく、育毛改善効果が期待される。

22.糖化ストレスによる炎症反応に対する抑制効果(抗炎症効果)

AGEsーRAGE結合による慢性炎症のメカニズム RAGE(Receptor for Advanced Glycation Endproducts)とは、糖化反応によって生成するAGEsの受容体である。RAGEは血管、腎臓、肺、皮膚、マクロファージなど多くの組織細胞の表面に存在する。AGEsがRAGEに結合すると細胞内の転写因子と呼ばれるタンパク質(NF-κB)が活性化され、炎症を起こすゲノムに結合してスイッチが入ることによって炎症の原因となるタンパク質(炎症性サイトカイン:TNF-α,IL-6など)が生成される。またこの時、同時にRAGEの生成も促進される。その結果、炎症のフィードバックループが生じ、慢性炎症が引き起こされ細胞及び組織障害に至る。つまり、糖化ストレスは慢性炎症の原因となる(下図)。
この慢性炎症は『サイレントキラー』とも言われ、気付かぬうちに体内で進行し、がん、糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病、免疫機能の低下など多くの疾病の発症や進行、さらには老化に繋がることから医学界でも注目を集めている。
従って、体内でAGEsを作らせない、できてしまったAGEsを分解して減らすことが健康維持に非常に重要である。

  • <試験方法>
  • 被験者:健康な成人男女9名(女性6名、男性3名)
  • UNIFINE 100mg/日摂取
    (8-ヒドロキシイソフラボン類として6.1mg)
  • 摂取期間:16週間
  • 試験デザイン:試験食摂取の前後比較試験

摂取前、摂取16週間後において採血し、血漿を分取後、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6)の濃度を測定した。


UNIFINEの連続摂取により血漿中TNF-α、IL-6はいずれも減少する傾向が確認された。
前述のようにUNIFINE連続摂取により血中および皮膚のAGEsが経時的に有意に減少することが確認されていることから、UNIFINEはAGEs-RAGE結合に起因する慢性炎症を抑えることで、老化および加齢性疾患の発症を抑えることが期待できる。
また、ATDC5(マウス軟骨前駆細胞株)を用いたAGEs(CML)誘導によるNF-κB活性化試験では、発酵イソフラボンおよび各8-ヒドロキシイソフラボン類がNF-κB活性化を抑制することを確認している。このことから発酵によって生成される8-ヒドロキシイソフラボン類が抗炎症作用の有効成分の1つであると考えられる。

23.メタボリックシンドローム改善効果(抗肥満効果)

1.抗肥満効果(高脂肪食負荷試験) <試験方法> ddYマウス(10週齢雄)を1週間の馴化ののち3群に分け、通常食、高脂肪食、高脂肪食にUNIFINE2%を配合した混餌(高脂肪食+UNIFINE2%)の各飼料を投与した。投与期間は6週間、自由摂取とした。

<結果> 高脂肪食群は、通常食群に比べ、明確に体重、並びに血液中中性脂肪、血液中総コレステロール及び血糖値のいずれのパラメーターも経時的に増加したのに対して、高脂肪食+UNIFINE2%群は、顕著に体重増加を抑制し、各パラメーターにおいても高脂肪食摂取による増加を顕著に抑制した。このことから、UNIFINEは、肥満防止効果が期待される。

各飼料を6週間投与したのち脂肪組織を病理解析したところ、通常食群(A)は、正常な組織像を示したのに対して、高脂肪食群(B)は肥大化した脂肪細胞を多領域に観察した。これに対し、高脂肪食+UNIFINE2%群(C)は、通常食群ほどは改善していなかったが、脂肪細胞の直径測定試験により、有意に小型化していることが確認された。
このことから、UNIFINEは、体脂肪蓄積を予防する効果が期待される。

各飼料を6週間投与したのち肝臓組織を病理解析したところ、通常食群(A)は、正常な組織像を示したのに対して、高脂肪食群(B)は肝組織内に白抜けした領域(脂肪)が多領域に見られる脂肪肝の状態が観察された。これに対し、高脂肪食+UNIFINE2%群(C)は、通常食群と同様ほぼ正常な組織像を認めた。
このことから、UNIFINEは、脂肪蓄積によって発生する脂肪肝を予防する効果が期待される。

24. メタボリックシンドローム改善効果(抗糖尿病効果)

1.抗糖尿病効果(α-グルコシダーゼ阻害作用・DPP4阻害作用)キール大学/シクロケム社 α-グルコシダーゼはマルトースやスクロースなどの二糖類を単糖へと加水分解する酵素である。このα-グルコシダーゼの働きを阻害することで単糖への分解を抑制することができ、結果血糖値の上昇を穏やかにすることが期待できる。またDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)はインスリン分泌を促すインクレチンを分解する酵素であるが、DPP-4を阻害することができれば血液中におけるグルコースの取り込みが促進され、血糖値上昇を抑制することが可能となる。

<試験方法> α-グルコシダーゼ阻害作用はα-グルコシダーゼによる加水分解を受けて生じるp-ニトロフェニル-α-D-グルコピラノシド分解産物の吸光度がα-グルコシダーゼ活性に比例することを利用して、発酵イソフラボンを加えた際の吸光度測定から求めた。一方のDPP-4阻害作用は、DPP-4 inhibitor screening kitを使用して反応時間30分における阻害率を求めた。なお、陽性対照にはDPP-4阻害薬として知られるシタグリプチンを使用した。


<結果> 発酵イソフラボンは濃度依存的にα-グルコシダーゼ阻害作用およびDPP-4阻害作用があることが確認された。
以上のことから、発酵イソフラボンは血糖値の上昇を緩やかにさせ、糖尿病リスクを軽減させることが期待できる。

2.抗糖尿病効果(SGLT1を介したグルコース輸送の阻害作用)キール大学/シクロケム社 腸管上皮に分布するSGLT1(sodium-dependent glucose transporter 1)は、小腸管腔側のグルコースをナトリウムイオンと共に輸送する共役輸送体である。このSGLT1を阻害することで消化管からのグルコース吸収が抑制され、結果食後高血糖が改善される。

<試験方法> SGLT1を介したグルコース輸送の阻害作用をCaco-2/PD7細胞を用いたUssing-chamber法により得られる短絡電流を測定することで評価した。具体的にはグルコースおよびSGLT1阻害剤であるフロリジンまたは発酵イソフラボンの添加により誘発される短絡電流値と各試料添加時の平均短絡電流値を調べた。


<結果> SGLT1阻害剤であるフロリジン添加時における短絡電流値の変化と同様に、発酵イソフラボン添加時においてもグルコース添加直後の短絡電流値よりも低く抑えられていることから、発酵イソフラボンはSGLT1によるグルコース輸送を阻害し、消化管からのグルコース吸収を抑制することが期待される。

3.抗糖尿病効果(CRP産生抑制作用)キール大学/シクロケム社 CRP(C-reactive protein)は炎症や細胞の組織破壊に伴い増加するタンパク質であり炎症マーカーとして利用されている。特に2型糖尿病の発症においては、脂肪組織での慢性炎症によるインスリン抵抗性や膵臓β細胞の慢性炎症によるインスリン分泌能低下および膵臓β細胞量低下が関与していると考えられており、実際に肥満糖尿病患者では CRPの上昇が認められるとの報告もあることから、炎症の抑制は抗糖尿病効果において重要である。

<試験方法> 炎症マーカーであるCRPの産生抑制作用を評価するため、HepB3細胞(ヒト肝癌細胞)を使用した。 発酵イソフラボンの添加有無におけるHepB3細胞からのCRP mRNAの発現量をqRT-PCRで、またCRP量をELISA法にてそれぞれ測定した。なお、CRPの誘導にはIL-1βおよびIL-6を用いた。


<結果> 発酵イソフラボンはIL-1βおよびIL-6によって誘導されたCRP mRNAの発現量を抑制し、さらにCRP生成量も抑えることが確認された。
以上の結果から、発酵イソフラボンは抗炎症作用による糖尿病発症リスクを低減させることが期待される。

4.抗糖尿病効果(経口ブドウ糖負荷試験) <試験方法> C57BL/6Nマウス(10週齢雄)を1週間の馴化ののち、高脂肪食または高脂肪食にUNIFINE2%を配合した混餌(高脂肪食+UNIFINE2%)の各飼料を投与した。投与方法は自由摂取とした。それぞれの飼料を約6週間投与したのち24時間の絶食後、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT試験)を実施した。

<結果> ddYマウスを使用した試験23.高脂肪食負荷試験と同様に、UNIFINEは、高脂肪食摂取による体重増加を有意に予防した。この条件下で、OGTT試験したところ、高脂肪食+UNIFINE2%群は、糖負荷後30分の血糖値の最高血中濃度、及びその後の速やかな血糖値の低下を示した。
このことから、UNIFINEはインスリン抵抗性の改善および耐糖能の低下を抑制することにより、抗糖尿病効果が期待される。

5.抗糖尿病効果(2型糖尿病モデルKK-Ayマウス試験) <試験方法> 2型糖尿病モデルであるKK-Ayマウスを用いて、UNIFINEの効果を調べた。通常食または通常食にUNIFINE2%を配合した混餌(通常食+UNIFINE2%)の各飼料を投与した。投与期間は8週間、自由摂取とし、経時的な血糖値の推移および8週後のHbA1c値を測定した。


<結果> 血糖値の経時的推移を確認したところ、通常食群では、およそ1週間ほど経過後から高血糖値を示したのに対し、通常食+UNIFINE2%群では、血糖値の上昇は見られず、ほぼ200mg/dLで推移した。また、およそ1ヶ月前の血糖状態を反映するHbA1c値は、UNIFINE摂取により顕著に抑制された。
このことから、UNIFINEは耐糖能改善による2型糖尿病改善効果が期待される。

安全性試験データ

安全性試験 結果
急性経口投与
毒性試験
LD50 2000mg/kg体重以上
(マウス)
小核試験 陰性(マウス)

(大豆エキス発酵物として)

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