化粧品を作りたい人必見!ブランドコンセプト作りと商品企画の秘訣

オリジナルの化粧品を作りたい!
ブランドコンセプトってどうやって決めるの?

そんな方に向けて、ビジネス成功の鍵となるブランドコンセプト作りと商品企画の進め方をわかりやすく解説します。

ブランドコンセプトを明確にすることで、商品企画の進行や販売促進策の策定時にも方向性を失わず、化粧品事業をスムーズに進めることができます。

消費者の心をつかみ、長く愛される化粧品ブランドを立ち上げるために、必要なステップとポイントを押さえ、スムーズに商品開発を進めていきましょう。

化粧品のブランドコンセプトとは

ブランドコンセプトとは、「顧客にどのような価値を提供するブランドなのか」、ブランドの核となる価値を言語化したものです。

オリジナル化粧品をつくる場合、ブランドコンセプトを定義することは大切です。
「オリジナルブランドは他のブランドと比べて何が違うのか」
「顧客へどのような利益や便益を提供するものか」

ブランドコンセプトを設定することで、オリジナル化粧品の独自性が明確になります。ブランドを確立することは、価格競争から抜け出し、化粧品事業を成長させるために不可欠です。ブランドコンセプト構築はブランド確立のスタートであり、事業戦略の基盤となります。

まず、ターゲットの解像度を高め、ペルソナを設定することで、ブランドコンセプトが作りやすくなります。

ターゲットの解像度を高める

ブランドコンセプトを策定する際の鍵となるのは、オリジナル化粧品を最も喜んで利用するのはどのような人か、また、どのような人を主要な顧客としてターゲットとしたいか、を明確にすることです。

化粧品のターゲットを設定する際に用いるセグメント一覧は以下の通りです。
これらの項目を多角的に組み合わせることで、ターゲット像の解像度を高め、より具体的なペルソナ設計に役立ちます。

●化粧品ターゲット設定のセグメント一覧

1. 基本属性

年齢20代、30代、40代以上など
性別女性、男性、ジェンダーニュートラルなど
家族構成独身、既婚、子供の有無
居住地域都市圏、地方、国内外の特定地域

2. 職業・所得

職業会社員、主婦、自営業、学生など
役職・業種営業職、管理職、クリエイティブ職など
所得・世帯収入000万円

3. 生活スタイル・価値観

生活リズム共働き、専業主婦、フリーランスなど
趣味・関心アウトドア、インドア、美容、健康、ファッション
健康志向や環境意識オーガニック志向、エコ重視など
価格に対する感度高級志向、コスパ重視、ハイブリッド

4. 情報収集

情報取得源Instagram、YouTube、テレビ、口コミ、紙媒体など
購入チャネルEC、自社店舗、ドラッグストア、百貨店、テレビ通販など

 5. 肌質・美容ニーズ

肌質乾燥肌、脂性肌、敏感肌、混合肌など
肌の悩みシミ、シワ、たるみ、ニキビ、くすみ、赤みなど
美容対策の実践状況美容クリーム使用、エステ通い、セルフケアなど
希望する効果保湿、美白、アンチエイジング、敏感肌ケア

 6. その他心理・行動要素

ブランドロイヤリティ特定ブランド愛用者、乗り換え検討者など
購入動機自分磨き、プレゼント、医療的ケア代替など
使用シーンデイリー、特別な日のため、季節限定

これらのセグメントを組み合わせて、ターゲット像をできるだけ具体的に描くことで、ブランドコンセプトや商品企画の精度が向上します。

ペルソナを設定する

ターゲットが定まったら、より深掘りして具体的な人物像「ペルソナ」を設定していきましょう。
ペルソナを設計すると、担当者同士や化粧品OEMメーカーのスタッフとの共通認識ができ、オリジナル化粧品の開発・設計・広告宣伝まで、ブレや手戻りがなく、進行がスムーズになります。

ペルソナは、ターゲットで設定した項目のほかに、より実在する人物を思い描けるよう詳細を設定します。

名前東 洋子(あづまようこ)さん
年齢35歳
居住地愛知県名古屋市
家族構成夫婦と子供2人(7歳と8歳)
住居駅から徒歩15分の3LDKマンション
所得本人年収160万円/世帯収入800万円
金融資産600万円
利用アプリLINE・Instagram・メルカリ
生活スタイル夫の収入がメインで、節約や家計のやりくりなど工夫しながら生活。子ども2人の小学校入学とともに、近所のカフェでパート。パート収入の使用用途は、貯蓄や自分磨き。節約とメリハリのあるお金の使い方を心掛けている。
肌の悩みと対策ほうれい線やフェイスラインのゆるみなど年齢肌のサインが気になってきたので、Instagramや化粧品専門サイトで自分に合った化粧品を探索中。

このようにペルソナを設定することで、どのような化粧品を、どのような人を対象に、どのようにアプローチするかが明確になり、オリジナル化粧品の開発・設計・広告宣伝まで進行がスムーズになります。

ブランドコンセプトを作る

ターゲットに向けて、どのような利点やメリットを提供するのか、ブランドコンセプトをシンプルな言葉で表しましょう。自社のオリジナル化粧品の独自の強み・他のブランドとの違いを明確にします。

単なる製品の特徴や成分ではなく、市場の要求と自分たちの技術や特色をうまく組み合わせることで、強固なブランドコンセプトを築き上げることができます。
例えば、大容量フェースマスク「ルルルン(LULULUN)」のブランドコンセプトは、「ごきげんをつくる」です。2011年7月よりフェイスマスクを展開しています。当時はまだ特別な日にだけ使う高額だったフェイスマスクを誰もが使える価格で提供し、Dr.ルルルン社は日本のフェイスマスクリーディングカンパニーに成長しました。

ブランドコンセプトは、あまり難しく考えずに、ワクワク感をもって「誰に」「どんな価値」を提供するのかを考え、シンプルに表現しましょう。

商品企画のポイント

商品企画のポイントは、

  • 訴求成分
  • アイテム(剤形)
  • デザイン
  • ネーミング
  • 販売価格
  • 販売計画・販売チャネル
  • 販売エリア
  • ベンチマーク品の設定

など多岐にわたります。
ひとつひとつの要素をブランドコンセプトに沿って決定していきます。

訴求成分

ブランドコンセプトとターゲットから化粧品に期待する効果やそれに対応する配合成分、配合を避けたい成分を明確に決定します。特に、広告・プロモーション活動を考慮しながら、どの成分を強調してターゲットに伝えるかを検討します。SNS媒体やTVショッピングなどの販売チャネルにおいて、他の商品と差別化するポイントとなる、ターゲットの心をつかむ製品設計が不可欠です。

アイテム(剤形)

商品は単品での提供や、ラインナップとしての展開など、さまざまな提供方法が考えられます。ラインナップとして提供する場合、同じアイテムに色や香りのバリエーションを加える方法や、化粧水・クリームといった使用順序に応じて異なるアイテムをラインナップする方法も一般的です。

ターゲットが新しい商品を試しやすいのは単品の場合でしょう。しかし、ラインナップとして提供することで、より効果が得られやすくなったり、1人あたりの購入額を増加させることが期待できます。アイテムの特長やメリット・デメリットを検討しながら、適切な方法を選定します。

デザイン

化粧品の容器やパッケージのデザイン・カラーは、商品の印象に大きく影響します。容器の形状によって、エレガントな雰囲気やユニセックスな印象といったブランドイメージが変わることもあります。ブランドコンセプトに沿ったデザインを選ぶことで、商品の価値を高め、ターゲットから選ばれる化粧品を作り上げることができます。

ネーミング

商品名は、化粧品の最初の印象を形作る重要な要素です。ターゲットにブランドコンセプトを効果的に伝えるためには、その意味や想いを商品名に込めることが大切です。独自性と共感を呼ぶネーミングは、消費者の記憶に残りやすくなります。

販売価格

ターゲットとブランドコンセプトを基に、上代(販売価格)と下代(仕入価格)を決定します。一般的に、仕入価格のおおよそ20%が上代の目安とされますが、販売チャネルや販促計画により、この目安値が変動することもあります。

仕入価格の基準を設定した後は、化粧品の成分(バルク)、容器、資材の中で何を最も重視するか、優先順位を定めましょう。この優先順位は、化粧品OEMメーカーとの協議や、容器・資材の選定、成分の選択や配合量などの商品設計を進める際の大切な指針となります。

販売計画

販売計画を策定することで、売上の見込みを立て、適切な在庫量を計算し、発注量を決定できます。
化粧品の初回注文時には、発注ロットの選択は慎重に進める必要があります。小ロットでの発注は、総コストを低く抑え、もし商品が売れなかった場合のリスクを軽減します。しかし、一般的に発注量が少ないと単価は上がるため、利益率が低下する可能性があります。
製造に要するリードタイムを考慮した販売計画を立てることで、販売の機会を逃さず、資金の流れを安定に保つことができます。

販売チャネル

販売チャネルとは、消費者が化粧品を購入する際の方法や場所を指します。これには、ECサイト、自社店舗、TVショッピングなどが含まれます。販売チャネルの選択は、化粧品の販売価格や利益率、さらには商品のパッケージに影響を与えます。
ターゲットに適した販売チャネルを選ぶ際には、プロモーションや購入方法、支払い方法、商品の配送と受け取り、そして顧客情報の管理などの要素も考慮する必要があります。
購入時の顧客の満足度を重視し、化粧品ブランドの強化や顧客のロイヤリティ向上を目指して、適切な販売チャネルを選びましょう。

販売エリア

化粧品を販売する国や地域により、法制度や規制が異なることがあります。各国・地域の法規制や販売に関する取り決めを確認し、適切な手続きや商品設計を行うことが重要です。
外国への輸出を検討している際には、化粧品OEMメーカーに輸出先の候補地を事前に伝え、商品設計の要件を確認することをおすすめします。

ベンチマーク品を設定

市場に存在する競合品や既存の化粧品を調査し、処方やデザインなどを参考にベンチマーク品を設定することは、オリジナル化粧品の商品企画の策定に効果的です。
ベンチマーク品を明確にすることで、自社スタッフ間や化粧品OEMメーカーとの議論で、オリジナル化粧品がどのような位置付けとなり、どのように差別化を図るべきかがはっきりとします。

化粧品OEM開発のスムーズな進め方

オリジナル化粧品を開発する際、スムーズな進行のためには、化粧品OEMメーカーとの初期段階からの密接なコミュニケーションが鍵です。
ブランドコンセプト、ターゲット、化粧品に期待する効果、販売予定国、そして発売時期など、事前に定まっている情報は明確に伝えましょう。

さらに、化粧品の種類(剤型)、配合成分、避けたい成分、仕入価格、容器のデザインやイメージなどの商品企画に関する情報も、早期に共有し、アイデアを出し合って決定することが効率的な進行につながります。

ときにはすべてをオリジナルにこだわるのではなく、各項目の優先順位を設定することも大切です。発売時期、生産ロット、テクスチャー、デザインなどの優先順位を明確にし、その要望を伝えることで、化粧品OEMメーカーからのフィードバックも的確に受け取ることができ、化粧品開発をスムーズに進めることが可能となります。

おわりに

化粧品OEMの成功のために、ブランドコンセプトと商品企画の作成方法について解説してきました。
重要なのは、ブランドコンセプトを設定し、ターゲットへオリジナル化粧品の特徴を明確に伝えること。これにより、他社の商品と差別化を図り、化粧品が長く市場で愛され続けることができます。
また、明確なブランドコンセプトを持つことは、商品企画やプロモーション施策の策定において方向性を保ち、化粧品事業を効率的に進めるための基盤となります。

化粧品OEMメーカーは、化粧品に関する幅広い専門知識を持ったスペシャリストからなる集団であり、化粧品開発に関する多くのノウハウを有しています。ブランドコンセプトと商品企画を中心に、化粧品OEMメーカーとの円滑なコミュニケーションを図り、化粧品開発をスムーズに進めましょう。


化粧品OEMをお考えの方は、お気軽に東洋発酵へお問い合わせください。

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